1回戦の第3試合は、注目の好カード。千葉の盟主・豊上ジュニアーズは、出場8チームで唯一、優勝を経験している。新人戦の最高位となる関東王者に就いたのが2019年で、この年に東京代表として初出場で4強入りしたのがレッドファイヤーズだった。実績と知名度は豊上が群を抜くが、近年の躍進が目覚ましい東京勢は大会を3連覇中。豊上が6年ぶり2回目のVへ歩を進めるか、6年ぶり登場の東京王者がハイレベルでぶっちぎるか――。
※学年未表記は5年生
(写真=鈴木秀樹、大久保克哉/文=鈴木秀樹)

■1回戦
11月22日◇ノーブルホームスタジアム水戸
▽第3試合

豊上ジュニアーズ(千葉)
200001=3
000010=1
レッドファイヤーズ(東京)
【豊】加藤、後山-関澤
【レ】萩原、井田、安里-上西、神
【評】先攻の豊上は初回、敵失と四球から二死二、三塁として、五番・蛭間悠智が鋭いライナーを外野へ。これが記録は外野手のエラーとなり、ノーヒットで2点を先取した。レッドの先発・萩原琉碧は不運な失点にも崩れることなく、5回までを2安打2失点でしのいで68球で降板。レッド打線は5回、三番・大森柚季の適時三塁打で1点を返すが、6回表に1点を追加された。最終6回裏、レッドは神利玖也の左中間二塁打や代打・柄澤柚月の中前打などで一死満塁と、同点・逆転サヨナラまでの好機を得たが、豊上は内野ゴロ併殺で最後を締めくくり、初戦を突破した。
1回表、豊上の2点は外野手の失策(公式記録)で入るも、蛭間の打球はヒット性だった(上)。先発の加藤は70球で6回一死まで1失点の好投(下)

1回裏は巧打と好守の応酬。レッドの二番・井﨑駈が左前打(上)を放てば、続く大飛球を豊上の中堅手・蒔田昊明(下)が好捕

1回裏、レッドは四番・佐々木遥斗の左前打(上)で一死満塁とするも、続く鋭いライナーを豊上の遊撃手・後山晴が前進守備で好捕(下)

2回表、レッドは中堅手・清水優仁(4年)が前方のライナーを前のめりで好捕(上)。3アウトとなり先発左腕の萩原とグラブタッチ(下)

5回裏、二死一塁から右越えの適時三塁打を放った大森(上)は、続く6回表の守りで一塁邪飛を好捕(下)

6回表、豊上は先頭の蒔田が中前打から二盗と犠打で三進。そして増渕碧人の二ゴロ(上)で生還し(下)、3対1に

6回裏、レッドは神の二塁打に代打・柄澤の中前打(上)などで一死満塁とするも、守る豊上は6-4-3併殺でゲームセットに(下)

―Pickup TEAM―
投打の柱を欠くも、全国区の強豪を脅かす

レッドファイヤーズ
[東京都]
東京制覇の立役者でもある、エース格で三番打者の篠沢翼が、インフルエンザで欠場。それでもレッドファイヤーズは、相手の倍となる6安打に長打も2本と、関東大会に来ても個の打力の高さが際立った。
しかし、あと1本が出ない展開に終始し、豊上ジュニアーズの逃げ切りを許す形での初戦敗退となった。

「全部で3エラー。エラーの数だけ失点してしまいましたね。豊上さん相手では、さすがにこれは厳しかったかな」
レッド・西田繁監督(=上写真)は試合を冷静に振り返ったが、「いやぁ、でも悔しいなあ」と天を仰いだ。
初回の2失点には、公式記録では2失策が絡んだが、いずれの打球もヒット性の当たりだった。また先発の萩原琉碧(=下写真)は動じることなく好投を続け、しっかりと試合をつくってみせた。

決して勝機がなかったわけではない。それだけに、安打数で上回りながら、攻めきれなかった思いが強い。
「最後(6回裏一死満塁)の場面も…。2点差があるから、豊上さんは(前進守備でなく)後ろで守って、しっかりゲッツー。向こうにとっては、計算通りだったんでしょうねえ。やられました」

2回に中堅守備で美技(上)の清水優仁は、4回に左前打(下)。頼もしい4年生だ

都大会決勝では最終回に7点差からの大逆転劇で頂点に。この試合でも6回裏に、それを思い起こさせるような攻撃もあり、レッド「らしさ」も見せた戦いではあった。試合後、西田監督は選手たちに語り掛けた。
「この学年のチームとして経験値の高い豊上さんに比べて、ウチは6年生のチームに出ている子も多いし、チームもまだ出来上がっていない。その中ではよく戦っていると思う。それに、これだけ豊上打線を抑えられたんだから、ピッチャーは自信を持っていい」

両翼70mのサク越え本塁打ゼロの今大会にあって、神利玖也は6回裏に左中間へエンタイトル二塁打(上)。八番・高鹿朝陽(3年)は四球を選んで一死満塁とした(下)

手応えも感じつつ、悔しさとともに不完全燃焼に終わった、6年ぶりの関東新人戦。この敗戦を糧に、2026年の躍進につなげたい。
1件のコメント
代打の柄澤ですとよがみさんは
守備も打撃も上手いのて失策が多かったからへらせたらなーと思います僕が打った玉は89kmでした投手は全員良かったのでその良い投手たちと戦えて良かったです
またその良い投手たちからもっと打てるように頑張ります